子宮筋腫って切らなくてもいいんだ~子宮動脈塞栓術(UAE)体験記

2013年2月多発性子宮筋腫のため子宮動脈塞栓術(UAE)を受けました。
筋腫と診断されてから手術を経て現在に至るまでの私の体験記録です。
当時の日記やメモ、記憶を頼りに1年たった今ようやくブログにすることができました。
自宅から遠く離れた病院だったのでお出かけ気分も満載!?

2013年11月

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Iクリニックの診察

どこに行こう。同性の医師だったらどんな風に説明してくれるのだろう?検索すると、女性の開業医が割と近くにあることがわかった。クリニックのサイト内では院長自らも子宮筋腫持ちであることをカミングアウトしていた。

それならば…このIクリニックへ。女性専用を全面に出していて付き添いでも中学生以上の男性は立ち入りはお断りなんだって。建物は外も中もちょっと落ち着いたエステサロンか美容院みたいな雰囲気。

セカンドオピニオン、というわけではないが他の病院で全摘と言わたことを告げた上で診察してもらった。診察室には先生の奥にもう一人スタッフがいて、先生と私とのやりとりを次々PCに打ち込んでいた。それが先生の前のPCモニターにも表示される。それにしても一字一句逃さず打ち込まれるスピードによく聞き取れるなあと感心してしまった。

一通り問診を済ませてから「とにかく診察してみましょう」と診察室横の内診室へ案内される。今時の内診台は普通に座ればあとはボタン一つで動くのか。よいしょ、よいしょと上がらなくてもいいのね。ちょっと感動。

内診を済ませ再び診察室へ。PC画面に映し出されたエコー画像を見ながら説明を受ける。エコー画像というやつは何度見てもよく分かりません(あっ、かつて妊娠中のエコー画像だけはわかりました)。先生の説明を聞いてもいまいち何がどう写っているのやら…?

「1個1個は1~2cmぐらいの大きさだけど、小さいものがたくさん集まっている感じですね。全体で7.9cmになっています。大きさが7cm以上で貧血などの症状が出ているので手術適応ですね。」
エコー画像をプリントアウトしたものを渡され、またメモ用紙に筋腫の様子を書いてくれた。

先生手書きのメモ



「子宮筋腫だとは思いますが1,000人に1人の割合で子宮肉腫ということもあります。」とのこと。筋腫は良性の腫瘍だけど肉腫だったら悪性、しかも肉腫かどうかは摘出後病理検査をしないと確定しないみたい。

先生は病状について淡々と説明してくれた。おかげでようやく自分のお腹に抱えているものがどんなものかわかった。小さいものがたくさんある…核出術なんて意味がないという言葉が思い出される…やっぱり全摘なのかな?全摘しかない?あの怖い図を思い出す。

家に向かう間、車を運転しながらも頭の中は筋腫のことでいっぱい。何だか道を間違えて遠回りして帰宅したような…。

Fクリニックの診察(その2)

毎日もやもやした気分が続く。筋腫の大きさや場所、数などをちゃんと聞いてこよう。10月も半分が過ぎた頃、再びFクリニックへ。

先日のエコー画像を見ながらF先生「大きさはそんなたいしたことはないけれど、何個かあるよ。」
数が多くなければ筋腫だけ取ることはできないのか聞いてみた。
先生曰く「何十個あってもとれるけれど、そんなことしても意味がない。貧血は治らないよ。」

ガーン。
ここまで言い切られたらこれ以上質問できません。血液検査をしたらとりあえずヘモグロビンの量が改善していたのでしばらく様子を見ることになった。再びフェロミアが処方される。1日1錠でいいから長い期間飲んでって。
 

結局、自分の筋腫がどんなものなのかは闇の中。逆にショックを受けただけ。F先生のことは嫌いじゃないけど、ここから先は話が進まないような気がして、というかもうここでは全摘する道しか残されていないみたいね…。

このまま全摘になるのは悔しいので、他の先生にも診てもらおう。そのためにはもっと病気について知識を深めた上で話を聞いたほうがいいらしい。図書館でわりと新しい子宮筋腫の本(
よく分かる最新医学 子宮筋腫 検査から診断、最新の治療法まで』)を見つけたので借りてみた。膣式全摘術の切除部分を図解したページを見ていたらなんだかとんでもなく恐ろしくなってきた。

これからどうしようか

 子宮筋腫自体は成人女性の3~4人に1人の割合で見つかる良性の腫瘍で直接命に関わるものではないので症状がなければ経過観察していくだけでも大丈夫なものらしい。私の場合、過多月経だったり貧血があったりと症状は出ているけれど、だからといって慌てて手術をする必要もないので「いずれ」なんでしょうね。全摘するしか根治する方法はないみたいだけど、全く決心がつかず毎日もやもやした気分ですごしていた。

子宮筋腫と診断されたあと初めての生理は予定より1週間ほど遅れてやってきた。早くなることはあっても遅れることなんて今までほとんど無かったのにな。これがこれまでに経験したことのない恐ろしいほどの大量出血。これはもう決意するしかないかも、こんな生理とこの先何年も付き合っていくなんてできないかもと超弱気になる。そして過去最高に酷い生理に手術を受けることを意識し始める。もしかして早く意志を固めるようにと仕向ける先生の陰謀ではないか、と疑心暗鬼になるくらい。

そんな中「子宮筋腫・子宮内膜症体験者の会たんぽぽ」さんのホームページで子宮筋腫は命に関わる病気ではないので焦って手術を受ける必要はない、ゆっくり時間をかけ自分の体について勉強し自分に最も合った治療を探せばいい、治療法を決めるのは患者自身だよと言う文章と出会う。ホームページには自己決定するためのフローチャートもある。確かに子宮筋腫の手術を体験した方のブログなどを読ませてもらうと皆さんちゃんとご自分の筋腫の大きさやできている場所、数なんかを把握し、治療について納得し手術を受けているようだ。自分はどうか
といえば、うーん、どこにどんな筋腫が何個あるのかどれもよく分からない。こんな状態で手術を受けるわけにはいかないでしょ。せめてそれぐらいはちゃんと確認しておかないと。

でも、子宮筋腫は良性の腫瘍なのにどうして子宮ごと全部取ってしまわなくてはならないのか?生理の出血が多すぎるからといって生理自体がなくなればいいと思っているわけではなく多すぎる出血さえどうにかなればいいだけなのにな
情報も気持ちも全く整理がつかず、まだまだ自己決定できるところまで来ていない。

折しも職場では異動希望等の申告書を提出する時期。今後手術を受けることになるかもしれないのでとりあえず上司に話しておかなくちゃ。一番時間ができそうな次の夏にでもお休みもらって手術を受けようかな~なんて、全然決心はついていないけれどそんなつもりでいますと報告。「それまで待てるの?早くしなくていいの?」と今の状況を心配して仕事のことなんて気にしないでいつでも受けたらいいと言ってもらえた。今度の夏っていうのはただ自分が先延ばしにしたいだけなんです
。それにしても婦人科系の病気の話するのに自分の上司が女性でホント良かったぁ。

VHって?

VH=vaginal hysterectomyは膣式子宮摘出術のこと。膣式子宮摘出術は開腹手術と比べると手術創も残らないし回復も早い方法だが、出産経験のない人や子宮全体の大きさがにぎりこぶし大以上だと行えないらしい。

しかし、こちらの病院では子宮全摘についてはほとんど膣式で行なわれている。病院ホームページの婦人科手術実績をみると、大きなものでは経産婦なら
2000gあまり、未産婦でも1000gほどのものを膣式により摘出している、と載せている。病院の待合室にだって当院での摘出物重量ランキングなるものがバーンと張り出されていた。これらの摘出物、一体どれくらいの大きさ?2000gっていうと小さい赤ちゃんぐらいか!これだけバンバン書いているということは「相当大きいものでも経膣分娩してない人でも膣式で摘出しちゃいます」ってことでしょう。

となれば当然全摘と言われるだろうとは予想していたけれど、それでもやっぱり自分の問題となるとそう簡単なことじゃなくて…。全摘という言葉をすんなりと受け入れることはできなかった。

帰宅してからインターネットで子宮筋腫を検索。いきなりあらわれた
自宅で○○……』なるサイトの体験談を読んでいると、「ああ、これだあぁぁ…」と引き込まれていって思わずポチッとボタンを押してしまいそうになった。心が弱っているときは判断力が鈍くなる、こんな時に何でも決断したらダメ~!と我に返る。いかん、いかん。

この日から子宮筋腫との正式なおつきあいが始まった。正式なおつきあいと言っても、当面は貧血の薬を飲むだけですが。

Fクリニックの診察(その1)

10月に入って平日に1日休みができたので、意を決して病院に行くことにした。二女の出産の時にお世話になったFクリニックへ行こうかな。実はここで「筋腫の芽がたくさんある」と言われている。確か4年前。その時のカルテが残っているんじゃないかなあ。

健康診断の結果を持って9時過ぎに病院へ。9時から診察開始だけどすでに待合室はいっぱい。でも、いつもこんなもんだったかなあ。1時間もすれば呼ばれるだろうと思って待っていたんだけど、後から来た人が次々診察室に呼ばれているのにいつまで経っても声がかからない。お~い、どうなってるの?予約制じゃないからある程度受付順に診察されるはずなんだけど。まだかな?

11時を過ぎてもまだ呼ばれず。ついにしびれを切らせて受付で「2時間待っているけど一体いつ順番が来る?」と聞いてみた。そしたら急に呼ばれて診察前の問診。すごい事務的に問診を終える。待たされたこともそうだけどあまりに事務的な感じにもちょっとイラッときて問診を担当していた看護師さんに「後から来た人がどんどん先に終わっていくのになんでこんなに時間がかかったんですか?」と聞いてみた。受付に新人が入ってカルテを出すのにまだ慣れてなかったとか何とか言っていたけど、他の人のカルテはちゃんとできてるみたいなんですけど(怒)

別にそんな言い訳なんていらなかったんだけどな。「お待たせしました」の一言さえあればイラッとしなかったかもしれない。それにしてもカルテ出すのに何時間かかるんだろ?初診になるから少しは順番は変わるかもしれないけれど、以前通っていた時にこんなに待たされたことあったかなぁ?

自分ではかなり押さえたつもりなんだけど、頭から湯気が出ていたのかもしれない。これはヤバイとでも思ったのか、ここからは先生の診察も内診もかなりの人をすっ飛ばして順番が回ってきた。あんなに怒らんでもよかったんにちょっと言い過ぎた…反省しながら診察を待つ。近くで待っている他の患者さんにはクレームつけて順番かえさせみたいに見えただろうな。いやなヤツだ。
 

診察前からいやな気分になっていたけど、診察の結果はやっぱり子宮筋腫だった。筋腫のせいで貧血になっているらしい。念のためガンの検査もしておきました、と。そこまでは想定していた通り。

特別大きいわけではないけれど形がいびつになっていて変性を起こしているのではないか、とカルテに貼り付けたエコー画像を見ながら説明された。あれっ、このカルテ、今日のエコー画像しか貼ってない。新しく作ったのか?ってことは筋腫の芽を指摘された時のカルテがないってこと?もやもやしながらも今日の診察結果を聞くのが精一杯。

ところで変性って何でしょうか?石灰化とか硝子化とかいくつか種類があるらしいが私の場合は硝子化しているのではないかと。

閉経が近ければホルモン療法で逃げ切ることもできるが、それまでには7年、いや筋腫のある人は閉経が遅くて下手するとまだこれから10年もあるから逃げ切るには先が長すぎるし、薬で早々に閉経と同じ状態にしてしまうのはおもしろくないので僕はやらないよ、と言われた。

ピルを使う方法もあるが、これも薬は高いしお勧めしない、子どもも2人いるし貧血もあるしこのまま筋腫を置いておいてもこの先悪さはしてもいいことはないから取ってしまいましょう、子宮をとっても卵巣が残れば更年期障害はおこらないよ、だって。

取ってしまうって?全摘のこと?そしてカルテに「いずれVH」と大きく書き込まれた。

先生はおもむろにカレンダーをめくってから「この先2~3か月は予定が埋まっているからその気になったらとりあえず電話で予約して」だって。そんな簡単に言わないでください。

頭の中で「全摘」という言葉がグルグルまわっている。家のことや仕事の都合もあるからそんなに簡単に決められない、というのは建前で、いきなり全摘と言われて動揺してないわけがない。

とりあえず貧血の薬を飲んでねとフェロミアが30日分処方された。薬が終わる頃にはまた診察に来てって。

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プロフィール

はおん

ディズニーと手作りが大好きなヒツジさん。
事務系のお仕事してます。

2012年10月子宮筋腫発覚
2013年2月子宮動脈塞栓術(UAE)を受ける。
UAEを受けた時、45歳。

ヒツジさんの夫、ウシさん・ヘビさんの娘2人と
石川県中央部で生息中。

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