9時10分、「では行きましょう。」吉野内先生の声だったかな。手術室に向けて出発です。

ここからはストレッチャーで移動。回復室のベッドからストレッチャーに自力で移る。回復室からの移動距離はわずかな距離なのにガラガラガラ…とすごく遠くに運ばれたような気がした。

エックス線血管撮影室
エックス線血管撮影室=手術室。さあ、いよいよ行きますよ~。ここまできたらこわくなんかないよ~。

手術室に入る。手術室はここではエックス線血管撮影室です。術前検査の時、胸部レントゲン写真を撮ったあの部屋です。ストレッチャーから血管撮影装置の検査台へ移る。頭を機械にぶつけないように体勢に注意しながら移動。前に頭ぶつけそうになったんだったっけ。部屋の中にはいくつもモニターがあり、前回の診察時に撮ったMRI画像も貼り出されていた。

手術室内には音楽が流れている。ジャパメタ?田頭先生の好きなアーティストの曲だと誰かのブログで読んだ気がするけど、こんな感じなんだ。

検査台に移ってからもしばらくは毛布を掛けてもらっていたけれど、寒さに加え極度の緊張で体中ガタガタと震えが止まらない。止めようと思ってもムリ~。こんなんで大丈夫?

グリーンの手術着の田頭先生とはここで再会。挨拶ぐらいちゃんとしてましたか?先生から入院の際提出した書類を見ながらいくつか質問された。そして「粘膜下筋腫がなければ症状はなかったでしょうね。」

確かになー、と思ったけれど、ひとつずつはチビッ子とはいえ30~40個あるという筋腫達がずっと症状がないまますくすくと育って、知らないうちに子宮が筋腫でぎゅうぎゅう詰めになっている図を想像したら逆に怖くなった。症状があったおかげでチビッ子の内に一網打尽することになった訳なのでこれはこれで良かったと思っている。

毛布から手術用のシートに掛け替えられる。ピンクの手術着を付けた看護師さんの姿が見える。手術中は先生とこの看護師さん、そして私の3人になるんだね。

私の頭の横では吉野内先生が硬膜外麻酔のためのポンプや抗生剤の点滴を準備していて先生と何か言葉を交わしているうちに、今度は足下の方から田頭先生の「注射しますね」の声が聞こえた。これって局部麻酔の注射だったのかな?カテーテル入れる準備?先生方が手際よく進めてくださるけれど、一体どうなっているの~?

血管造影剤を注入。急にお腹辺りから体がホワ~っと温かくなって震えが止まった。と自分では感じたんけれどホントは手術が終わるまでずっと小刻みに震えていたみたい。麻酔の影響なんだって。麻酔をしたら眠くなるかと思っていたけれど、全くそんな気配なし。頭は何となくぼーっとしている感じもしたけど意識ははっきりしていて逆に冴えていたかもしれない。できれば手術の一部始終をちゃんと見たいと思っていたので、このまま眠くならなければいいな。

「では、今から始めます。」田頭先生が説明をしながらカテーテルを進める。右足の付け根から入ったカテーテルが動脈をスルスルと進んで三角形の頂点を折り返して進んでいくのが自分の横のモニターにも映し出されている。まるで岡山UAEセンターのロゴマークみたいだわ。それにしてもこのメガネ、あんまりよく見えないよ(泣)。こんな機会滅多にないんだから(もうない?)もっとよく見えるメガネを準備しておけば良かったなぁ、残念。

カテーテルはあっという間に左側の子宮動脈に到達。先生からここに写っている血管の中に筋腫があるんだよと説明を受ける。多分ここで一度X線撮影をしたような気がする。

先生「これからゼラチンスポンジを詰めていきます。」時間が長く感じられる。実際はそうでもなかったんでしょう。ゼラチンスポンジが動かなくなるまで詰めて終了。ここでまたX線撮影、息を吸ってー、止めてー、パチリ。

今度は、右側にカテーテルがスルスルと移動し、左側と同様にゼラチンスポンジを詰める。「もうすぐ終わりです。」右側はさっきより早く終わったような気がした。最後にX線撮影をして終了。

終始緊張しっぱなしだったんだけど、手術室に入ってからも、昨日UAEセンターにたどり着くまでに荒天で電車が遅れたり京都で足止め食った話しや長女の高校受験のこと、2週間前にも石川県からUAEを受けに来た患者さんがいて今までに数人しかいないのに偶然短い間隔で石川の人が続いたなんて話をしたりでホントに手術中かと思えるくらい和やかな雰囲気だった。おかげで異常な緊張感からちょっとは解放されたんじゃないかな。

カテーテルが抜かれた後はすぐに出血が止まるわけではないので、止血のためにお腹と太ももにかけて長いテープで固定されたようだった。一体どんな感じになってたんだろう?これから3時間右足は動かせません。

ストレッチャーに移動する前に麻酔ポンプが入ったバッグを首から提げ胸の前で抱きかかえる。今回は自分で動けないのでそのままの体勢で看護師さん達にストレッチャーへと移動させてもらった。この後は回復室へ戻って3時間の経過観察。